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福祉用具貸与・販売事業のM&Aで買い手が見る貸与資産・専門相談員・ケアマネ連携

2026 7/05
コラム
2026年6月27日2026年7月5日
福祉用具貸与・販売事業のM&Aで貸与資産と専門相談員体制を相談する経営者と専門家の写真

福祉用具貸与・特定福祉用具販売事業のM&Aは、訪問介護やデイサービスのM&Aとは評価の見方が大きく異なります。売上や利益だけでなく、貸与資産の状態、回収・消毒・保守の体制、福祉用具専門相談員の説明力、ケアマネジャーとの関係、卸会社・メーカーとの取引条件、利用者様宅でのモニタリング、介護保険請求の正確性が買い手の確認対象になります。

福祉用具貸与は、介護保険サービスの中でも在宅生活を支える重要な領域です。車いす、特殊寝台、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえなどの選定は、利用者様の身体状況、住宅環境、介護者の負担、転倒リスク、医師やリハ職、ケアマネジャーの意見と関係します。単に在庫を持っている会社ではなく、適切な選定と説明、点検、モニタリングができる会社かどうかが事業価値に影響します。

この記事では、福祉用具貸与 M&A、福祉用具販売 事業承継、介護用品レンタル会社 売却、介護M&Aといった検索意図に合わせ、譲渡企業様と買い手企業が実務で確認すべき論点を整理します。介護報酬や制度運用は個別事情や自治体確認が必要なため、断定ではなく、M&A準備段階で整理すべき観点として解説します。

目次

福祉用具貸与・販売事業M&Aが他の介護M&Aと違う理由

福祉用具貸与・販売事業は、介護職員が直接サービス提供時間を積み上げる事業とは異なり、貸与資産、物流、保守、相談援助、ケアマネ連携、請求事務が組み合わさって成り立ちます。そのため、買い手は人員数だけでなく、貸与中の商品構成、在庫回転、消毒工程、点検記録、配送体制、メーカー保証、卸会社との取引条件を確認します。

同じ売上規模でも、資産を自社保有している会社と、卸・レンタル卸への依存が高い会社では、収益構造が違います。自社保有品が多い場合は、資産価値と償却、保守負担、廃棄予定が重要です。外部仕入れや卸依存が大きい場合は、取引条件、粗利率、契約承継、仕入先との関係が見られます。決算書だけでは、この違いは伝わりにくいです。

譲渡企業様は、売上や利益を示すだけでなく、貸与中台数、品目別構成、利用者数、ケアマネ事業所別の紹介経路、専門相談員の体制、保守・消毒・配送の仕組みを整理しておくと、買い手に事業の実態が伝わります。福祉用具M&Aでは、数字と現場オペレーションをセットで説明できることが重要です。

貸与資産・在庫・償却の見方

買い手が最初に見るのは、貸与資産の実態です。帳簿上の資産額が大きくても、実際には老朽化している、利用頻度が低い、部品交換が必要、廃棄予定が多いという場合は評価が変わります。反対に、帳簿価額は低くても、稼働率が高く、点検記録が整い、回収後の再貸与が安定している資産は事業価値を支えます。

確認すべき資料は、品目別の資産台帳、貸与中一覧、在庫一覧、取得年月、取得価額、帳簿価額、償却状況、点検・修理履歴、廃棄予定、メーカー保証、部品供給の状況です。特殊寝台、車いす、歩行器、手すり、スロープなど、品目ごとに耐用年数、保守費、回転率、事故リスクが異なるため、単純な合計額だけでは判断できません。

譲渡企業様は、買い手に見せる前に、貸与中、倉庫在庫、修理中、廃棄予定、未回収の区分を整理することが重要です。未回収品や所在不明品が多い場合は、資産価値だけでなく管理体制のリスクとして見られます。M&A前に棚卸しを行い、台帳と現物の差を把握しておくと、交渉が安定します。

福祉用具専門相談員の継続性と説明力

福祉用具貸与・販売事業では、福祉用具専門相談員の役割が非常に大きいです。利用者様の状態や生活環境に合った用具を選定し、利用方法を説明し、福祉用具貸与計画を作成し、利用開始後のモニタリングにつなげる役割を担います。買い手は、資格者の人数だけでなく、経験年数、担当エリア、ケアマネとの関係、説明品質を確認します。

専門相談員が代表者や一部のベテランに集中している場合、譲渡後の継続性が大きな論点になります。買い手は、その人が退職した場合にケアマネ紹介が維持できるのか、利用者様からの問い合わせに対応できるのか、貸与計画やモニタリングが滞らないのかを見ます。属人的な営業力は強みである一方、引き継ぎが難しいリスクにもなります。

譲渡企業様は、専門相談員ごとの担当件数、担当エリア、主要なケアマネ事業所、保有資格、研修記録、退職見込み、引き継ぎ可能性を初期化して整理するとよいです。職員名を初期段階で出す必要はありませんが、買い手が譲渡後の人員体制を判断できる粒度の情報は必要です。人材の継続性は、福祉用具M&Aの中心論点です。

ケアマネジャー・地域包括との関係

福祉用具貸与事業の売上は、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの関係に大きく影響されます。買い手は、どの居宅介護支援事業所から紹介があるのか、特定のケアマネに依存していないか、紹介が継続している理由は何かを確認します。価格や納期だけでなく、相談への対応速度、提案の的確さ、トラブル時の対応が信頼につながります。

紹介元が少数に偏っている場合は、譲渡後に関係が切れるリスクがあります。反対に、複数の居宅介護支援事業所や地域包括から安定して相談がある場合は、地域での信用が評価されます。買い手は、紹介件数だけでなく、紹介の背景を見ます。特定の担当者の人間関係なのか、会社としての対応品質なのかで、引き継ぎやすさが変わります。

譲渡企業様は、紹介元別売上、紹介件数、主要なケアマネ事業所、地域包括との接点、研修会や勉強会の実績、苦情対応の履歴を整理しておくとよいです。情報管理のため初期段階では名称を伏せられますが、傾向を説明できることが重要です。福祉用具M&Aでは、地域の相談導線が無形資産になります。

令和6年度改定と選択制への対応

令和6年度介護報酬改定では、一部の福祉用具について貸与と販売の選択制が導入されました。固定用スロープ、歩行器、単点杖、多点杖など、対象となる用具では、利用者様の状態や希望、専門職の意見を踏まえ、貸与か販売かを検討する場面が生じます。買い手は、こうした制度変更に対して会社がどのように説明・記録・請求を整えているかを確認します。

選択制への対応では、単に販売を増やす、貸与を維持するという話ではありません。利用者様の身体状況、使用期間、住宅環境、メンテナンス、費用負担、ケアプランとの整合性を説明し、必要な記録を残すことが大切です。ケアマネジャーとの連携や医師・リハ職の意見確認が必要になる場面もあるため、専門相談員の説明力がより重要になります。

譲渡企業様は、選択制対象商品の説明資料、社内マニュアル、福祉用具貸与計画、販売時の説明記録、モニタリング記録、ケアマネへの情報提供の方法を整理しておくとよいです。制度変更への対応が曖昧なままでは、買い手は譲受後の請求・説明リスクを懸念します。最新制度に合わせた運用整備は、M&A前の重要な準備です。

福祉用具貸与計画・モニタリング・記録の整備

買い手は、福祉用具貸与計画が適切に作成され、利用者様やご家族へ説明され、同意が取られているかを確認します。計画書の作成日、担当者、選定理由、利用目標、留意点、ケアプランとの整合性、見直しのタイミングが曖昧だと、運営リスクとして見られます。計画書は、単なる書類ではなく、用具選定の根拠です。

モニタリングも重要です。利用開始後に、用具が身体状況や生活環境に合っているか、事故やヒヤリハットがないか、利用頻度が低下していないか、家族の負担が変わっていないかを確認し、必要に応じて交換や返却、販売への切り替え、別用具の提案を行います。買い手は、モニタリングが実際に行われているか、記録が残っているかを見ます。

譲渡企業様は、計画書、モニタリング記録、点検記録、苦情・事故記録、用具交換履歴をサンプルとして整理しておくとよいです。個人情報は初期化できますが、運用の流れを示す資料は必要です。書類が整っている会社は、買い手が譲渡後の運営を想像しやすく、デューデリジェンスも進めやすくなります。

卸会社・メーカー・保守契約の承継

福祉用具貸与・販売事業では、卸会社やメーカーとの関係が収益性に直結します。買い手は、仕入条件、レンタル卸の利用状況、支払条件、リベート、保証、修理対応、代替機の手配、消毒委託、配送委託の契約を確認します。契約が代表者個人の関係に依存している場合、譲渡後に同じ条件が維持されるかが論点になります。

特定の仕入先に依存している場合は、安定供給の強みである一方、価格改定や契約変更の影響を受けやすくなります。複数の卸・メーカーと取引がある場合は、リスク分散になりますが、管理が複雑になります。買い手は、現在の粗利率が持続可能か、譲受後も同条件で仕入れ・レンタル・修理ができるかを確認します。

譲渡企業様は、仕入先一覧、契約書、取引条件、支払サイト、リース・レンタル卸契約、保証書、修理履歴、消毒委託契約、配送委託契約を整理するべきです。取引先の承諾が必要な契約もあるため、情報管理を前提に、どの段階で確認するかを買い手候補と設計します。

消毒・保管・配送・安全管理の実務

福祉用具貸与では、回収後の清拭、消毒、点検、保管、再貸与までの流れが重要です。自社で行うのか、外部委託するのか、品目ごとの作業手順、点検基準、破損時の対応、事故防止、感染対策、倉庫管理が確認されます。買い手は、利用者様の安全に関わる工程が仕組み化されているかを見ます。

配送体制も事業価値に影響します。自社配送か委託か、対応エリア、緊急対応、設置説明、住宅改修との連携、重い商品の搬入、階段や狭小住宅への対応など、現場力が問われます。配送担当者が専門相談員を兼ねている場合は、説明品質と業務負荷の両方を確認する必要があります。

譲渡企業様は、消毒・保管・配送のフロー、倉庫写真、設備一覧、車両一覧、委託契約、事故・破損対応記録、ヒヤリハット記録を整理するとよいです。福祉用具事業は、見た目には商品を届ける仕事に見えますが、実際には安全管理と生活環境への適合が価値の中心です。

介護保険請求・返戻・未収金の確認

買い手は、介護保険請求の正確性を確認します。貸与開始日、返却日、月途中の変更、販売分、利用者負担、保険給付対象外の商品、自己負担分、返戻、過誤調整、未収金の管理が見られます。福祉用具は継続的な貸与が多いため、小さな請求ミスが積み重なると大きなリスクになります。

返戻や過誤が多い場合、その理由が重要です。単純な入力ミスなのか、ケアプランとの整合性不足なのか、利用開始・終了の連絡遅れなのか、制度理解不足なのかで、買い手の評価は変わります。過去に返戻があっても、原因分析と改善策が残っていれば説明できます。問題は、理由が分からないまま繰り返している状態です。

譲渡企業様は、請求データ、返戻・過誤の履歴、未収金一覧、利用者負担の回収状況、請求ソフト、請求担当者、月次締めの流れを整理しておくとよいです。会計や税務の判断は専門家確認が必要ですが、M&Aの初期段階では、買い手が収益の継続性と請求リスクを理解できる資料が必要です。

行政手続き・指定更新・運営指導の確認

福祉用具貸与・特定福祉用具販売事業のM&Aでは、指定通知書、指定更新時期、変更届、運営規程、重要事項説明書、苦情対応、事故対応、運営指導の履歴を確認します。株式譲渡で法人格が変わらない場合と、事業譲渡で運営法人が変わる場合では、行政手続きの見通しが変わる可能性があります。

買い手は、過去の運営指導でどのような指摘があり、改善が完了しているかを見ます。指摘があったこと自体より、改善記録が残っているか、同じ指摘が繰り返されていないかが重要です。福祉用具貸与計画、モニタリング、専門相談員の配置、苦情・事故記録、重要事項説明書の整備は確認対象になりやすい論点です。

譲渡企業様は、行政対応の履歴を早めに整理するべきです。M&Aの初期段階で自治体へ直接相談する必要があるとは限りませんが、契約が具体化する前に、どの手続きが必要になり得るかを確認する準備は必要です。情報管理を守りながら、行政手続きを後回しにしないことが重要です。

譲渡企業様が準備すべき資料

福祉用具貸与・販売事業の譲渡では、決算書だけでは買い手に実態が伝わりません。貸与資産台帳、在庫一覧、貸与中一覧、利用者数、品目別売上、紹介元別売上、専門相談員体制、ケアマネ事業所との関係、仕入先契約、消毒・配送体制、請求データ、返戻履歴、未収金一覧を整理する必要があります。

また、営業面の資料も重要です。主要エリア、対応スピード、ケアマネ向け勉強会、住宅改修との連携、利用者様・ご家族からの評価、苦情対応の改善履歴、事故予防の取り組みを説明できると、買い手は数字に表れない強みを理解できます。福祉用具事業は、地域での信頼と対応品質が売上の源泉です。

譲渡企業様は、最初からすべての資料を共有する必要はありません。初期段階では概要、条件整理後に詳細、基本合意後に精査資料というように、段階的に共有します。ただし、資料が存在しない状態では買い手の検討が進みません。早めに整理するほど、交渉は具体的に進めやすくなります。

買い手企業のタイプ別に見られるポイント

買い手には、既に福祉用具貸与を運営している会社、訪問介護や居宅介護支援から周辺領域へ広げたい介護事業者、調剤薬局や医療法人、住宅改修会社、地域の事業承継を考える法人などがあります。買い手のタイプによって、重視するポイントは変わります。

既存の福祉用具会社は、貸与資産、粗利率、専門相談員、ケアマネ連携、仕入条件、消毒・配送体制を細かく見ます。介護事業者は、居宅介護支援や訪問介護との連携可能性を見ますが、利益相反や公正な選定への配慮も必要です。医療・薬局系の買い手は、在宅医療や退院支援との接点を重視する傾向があります。

譲渡企業様は、買い手の提示価格だけで判断しないことが重要です。福祉用具は、ケアマネジャーや利用者様からの信頼を積み重ねる事業です。買い手が専門相談員を尊重し、既存取引先との関係を丁寧に引き継ぎ、制度に沿った説明と記録を継続できるかを確認する必要があります。

職員・ケアマネ・利用者様への説明順序

福祉用具事業のM&Aでは、職員、ケアマネジャー、利用者様・ご家族への説明順序が重要です。情報が早く広がりすぎると、ケアマネジャーが紹介を控えたり、利用者様が不安になったり、職員が退職を考えたりする可能性があります。情報管理を守りながら、説明のタイミングを設計する必要があります。

職員には、雇用条件、勤務地、担当エリア、専門相談員としての役割、配送・営業・請求の体制、譲渡後の方針を丁寧に伝えます。ケアマネジャーには、担当者や連絡先、商品対応、モニタリング、緊急対応が継続されることを説明します。利用者様・ご家族には、契約や個人情報、支払方法、点検・交換対応をわかりやすく伝えます。

譲渡企業様と買い手は、契約前から説明計画をすり合わせるべきです。誰が説明するか、譲渡企業様の代表や主要専門相談員が同席するか、書面と訪問説明をどう使い分けるかを決めます。福祉用具は利用者様宅に入り込むサービスであるため、信頼の引き継ぎを軽く見てはいけません。

譲渡後PMIで最初の90日に行うこと

M&Aは契約締結で終わりではありません。福祉用具貸与・販売事業では、譲渡後90日のPMIが事業継続に直結します。職員面談、専門相談員の担当継続、主要ケアマネ事業所への挨拶、仕入先・卸会社への説明、請求事務の確認、貸与資産台帳の統合、倉庫・配送ルートの確認、消毒・点検フローの確認を進めます。

買い手が急に担当者や運用を変えると、ケアマネジャーや利用者様に不安が広がります。まずは既存の対応品質を維持し、改善が必要な点を段階的に整える方が安定します。譲渡企業様の代表や主要専門相談員が一定期間協力し、主要取引先やケアマネへの説明に同席することで、信頼の移行が進みやすくなります。

PMI計画には、職員説明、ケアマネ説明、利用者様説明、仕入先説明、行政手続き、請求事務、在庫棚卸し、貸与資産台帳、未収金管理、返戻対応、苦情・事故対応、個人情報管理を入れるべきです。福祉用具M&Aでは、現場オペレーションの引き継ぎが価値を守ります。

地域名と福祉用具M&Aで検索する人の意図

「東京 福祉用具貸与 M&A」「大阪 介護用品レンタル会社 売却」「福岡 福祉用具販売 事業承継」のように地域名を含めて検索する人は、単に一般論を知りたいわけではありません。その地域で買い手候補がいるのか、ケアマネ連携を理解している相手か、既存利用者様と職員を守って引き継げるかを知りたいと考えています。

都市部では、対応スピード、配送効率、競合、専門相談員採用、倉庫コストが論点になりやすいです。地方では、広い配送エリア、地域包括との関係、在宅医療との接点、限られた専門相談員の継続が重要です。地域名をSEOで扱う場合も、地名を並べるだけでは不十分です。地域ごとの運営課題を理解していることが必要です。

譲渡企業様は、自社の地域性を資料化しておくとよいです。対応エリア、主要ケアマネ事業所、配送時間、倉庫位置、地域包括との関係、住宅改修業者との連携、医療機関からの相談、利用者様の傾向を整理することで、買い手は譲受後の運営を具体的にイメージできます。

住宅改修・介護リフォームとの連携

福祉用具貸与・販売事業では、住宅改修や介護リフォームとの連携も買い手が確認するポイントです。手すり、段差解消、スロープ、浴室・トイレまわりの改修は、福祉用具の提案と密接に関わります。自社で住宅改修まで行っているのか、協力業者へつないでいるのか、施工品質やクレーム対応をどう管理しているのかによって、買い手の評価は変わります。

住宅改修と福祉用具の連携は、利用者様の在宅生活を支える強みになりますが、同時に説明責任も大きくなります。ケアマネジャー、利用者様、ご家族に対して、貸与で対応するのか、販売で対応するのか、住宅改修が必要なのかを分かりやすく説明しなければなりません。工事が絡む場合は、見積、施工日、写真、完了確認、補助制度、介護保険の手続きも整理されます。

譲渡企業様は、住宅改修売上、協力業者一覧、施工実績、クレーム履歴、見積書式、施工前後写真、行政手続きの流れを整理しておくとよいです。買い手は、住宅改修が本業の強みなのか、紹介程度なのか、リスクを伴う領域なのかを判断します。福祉用具M&Aでは、周辺サービスとの関係を正確に説明することが重要です。

個人情報・契約移管・利用者様同意の設計

福祉用具貸与・販売事業では、利用者様宅の住所、身体状況、介護度、住宅環境、家族構成、ケアマネ情報、利用中の商品、請求情報など、機微性の高い情報を扱います。M&Aの検討段階でこれらを不用意に共有すると、個人情報保護上の問題や信頼低下につながります。初期段階では初期化し、条件整理後も必要最小限の範囲で段階的に共有することが必要です。

契約移管も重要です。株式譲渡で法人格が変わらない場合と、事業譲渡で契約主体が変わる場合では、利用者様への説明、同意、契約書の再締結、口座振替、請求先、個人情報の取り扱いが変わる可能性があります。買い手は、何件の契約移管が必要で、どのくらいの説明工数がかかるかを確認します。

譲渡企業様と買い手は、契約移管のスケジュール、説明文書、FAQ、問い合わせ窓口、ケアマネへの連絡方法を事前に設計するべきです。利用者様宅に設置されている用具は生活に直結しているため、事務的な通知だけでは不安が残ります。誰が訪問し、誰が説明し、どの情報を引き継ぐのかを明確にすることが、譲渡後の安定につながります。

買収後の営業統合とブランド変更の注意点

買い手が既に福祉用具事業を運営している場合、買収後に営業エリア、担当者、倉庫、配送、請求システム、商品カタログ、価格表、社名表示を統合することがあります。ただし、急な統合はケアマネジャーや利用者様に不安を与える可能性があります。特に地域で長年使われている社名や担当者名がある場合、ブランド変更は具体的に進めるべきです。

営業統合では、紹介元の重複、担当ケアマネの引き継ぎ、価格・サービス条件の統一、商品ラインナップ、緊急対応の窓口、休日対応、配送エリアの整理が論点になります。買い手にとって効率化は重要ですが、効率化を急ぎすぎると、紹介元から「以前より相談しづらくなった」と見られることがあります。福祉用具事業では、営業効率と地域信頼のバランスが必要です。

譲渡企業様は、主要紹介元ごとの関係性、担当者の相性、対応上の約束、過去のクレーム、価格以外で評価されている点を買い手に引き継ぐとよいです。買い手は、統合計画を一律に進めるのではなく、重要な紹介元や利用者様への説明を段階的に行うべきです。PMIでは、システム統合より先に信頼関係の維持を優先する判断が必要になることがあります。

譲渡企業様が手数料0円で早めに相談する意味

介護M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬を含めて手数料をいただきません。大手仲介会社では成功報酬が高額になるケースもあり、費用面が不安で相談を先送りする経営者もいます。しかし福祉用具貸与・販売事業では、貸与資産の棚卸し、専門相談員の体制、ケアマネ連携、仕入先契約、制度変更対応など、早めに整理すべき論点が多くあります。

手数料0円だからといって、売却を急がせるという意味ではありません。まだ売却を決めていない段階でも、買い手候補の傾向、事業価値の見られ方、資料準備、情報管理、職員説明の順序を確認できます。特に福祉用具事業は、貸与資産と地域の信頼が価値の中心であるため、準備不足のまま進めると本来の評価が伝わりにくくなります。

譲渡企業様にとって大切なのは、選択肢を早めに把握し、利用者様、職員、ケアマネジャー、仕入先に不安を広げずに判断することです。初期相談の段階で会社名や取引先名を詳細に出さずに確認できる範囲もあります。貸与資産、専門相談員、ケアマネ連携、請求、卸契約を整理するところから始めると、現実的なM&A準備になります。

まとめ:福祉用具M&Aは資産と信頼を同時に引き継ぐ

福祉用具貸与・販売事業のM&Aでは、売上や利益だけでなく、貸与資産、在庫、専門相談員、ケアマネ連携、仕入先契約、消毒・配送、福祉用具貸与計画、モニタリング、介護保険請求、行政手続き、職員説明、利用者様説明、譲渡後PMIを一体で見る必要があります。

買い手は、譲受後も利用者様が安心して用具を使い、ケアマネジャーが相談を続け、専門相談員が地域で信頼される状態を維持できるかを確認します。譲渡企業様は、希望価格を考える前に、買い手に説明できる資料を整えることが重要です。貸与資産台帳、紹介元別売上、専門相談員体制、仕入先契約、請求データを整理することで、交渉は安定します。

福祉用具M&Aは、単なる商品在庫の売買ではなく、在宅生活を支える仕組みと地域からの信頼を次の運営者へ引き継ぐ仕事です。情報管理を前提に、実務を理解した相手へ早めに相談し、譲渡後の安定まで見据えて準備することが重要です。

M&A前に確認したいチェックリスト

  • 貸与資産台帳、貸与中一覧、在庫一覧、修理中・廃棄予定品を整理する
  • 福祉用具専門相談員の人数、資格、担当エリア、主要紹介元、退職見込みを整理する
  • ケアマネ事業所別の紹介件数、売上、関係性、勉強会実績を確認する
  • 選択制対象商品の説明資料、貸与・販売の判断記録、モニタリング記録を確認する
  • 卸会社、メーカー、レンタル卸、消毒・配送委託の契約条件を整理する
  • 介護保険請求、返戻、過誤、未収金、自己負担分の管理状況を確認する
  • 行政手続き、指定更新、変更届、運営指導の履歴を整理する
  • 譲渡後90日のPMI計画を買い手候補とすり合わせる

参考にした公的情報

  • 厚生労働省 福祉用具・住宅改修
  • 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定について
  • 厚生労働省 介護サービス関係Q&A

よくある質問

福祉用具貸与・販売事業は買い手から需要がありますか?

需要はあります。ただし、買い手は売上だけでなく、貸与資産、専門相談員、ケアマネ連携、卸契約、消毒・配送体制、請求事務、制度変更対応を確認します。地域の相談導線と運用体制を説明できる資料を整えることが重要です。

貸与資産が古いと売却は難しいですか?

古い資産があるだけで売却ができないわけではありません。重要なのは、資産台帳、点検・修理履歴、廃棄予定、稼働状況、保守費を説明できることです。老朽化がある場合も、改善計画や入れ替え方針とセットで整理すれば、買い手が判断しやすくなります。

ケアマネジャーに説明時期を整理しながら検討できますか?

初期段階では、会社名、取引先名、ケアマネ事業所名、利用者様情報を整理したサービス概要で買い手候補へ打診できます。詳細共有は条件整理後に段階的に行います。ただし、契約が近づく段階では、主要ケアマネ事業所への説明計画が必要です。

譲渡企業様の手数料は本当に0円ですか?

介護M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・成功報酬を含めて手数料をいただきません。まだ売却を決めていない段階でも、貸与資産、専門相談員、ケアマネ連携、制度変更対応、買い手候補の傾向を確認する相談から始められます。

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