介護M&Aの進め方|売却準備・流れ・費用と注意点
介護M&Aを検討する経営者向けに、売却準備、許認可、人員基準、加算、情報管理、買い手評価、成約後の引き継ぎまでを実務目線で整理します。訪問介護、デイサービス、有料老人ホーム、グループホーム、訪問看護、障がい福祉など、介護・福祉事業では一般的な会社売却とは違う確認点があります。
介護M&Aとは
介護M&Aとは、介護・福祉事業を第三者へ引き継ぐために、株式譲渡、事業譲渡、合併などの方法で事業承継を行うことです。選択できる方式は、株式会社や社会福祉法人など法人の形態によって異なります。後継者不在、人材不足、加算・制度対応、設備投資、地域サービスの継続などを背景に検討されます。
介護事業では、財務に加え、指定・変更届の扱い、人員配置、資格者の継続、利用者様との契約、ケアマネ・地域包括との関係、職員説明の順番まで含めて、承継できる状態かを確認します。
検索で「介護 M&A」と調べる方が最初に知りたいのは、売却できるか、いくらで評価されるか、職員や利用者様に不安を広げず進められるかです。当センターでは、売却を決める前の相談から対応します。候補先にはまず事業所名を伏せた概要を示し、詳細資料は秘密保持契約と譲渡企業の了承を前提に段階的に共有します。
介護事業の売却前に整理する7項目
株式譲渡で運営法人が存続する場合と、事業譲渡で別法人が運営する場合では手続きが異なります。後者では新法人の指定申請等が必要になるため、サービスごとに指定権者へ事前相談し、廃止・新規指定と営業開始の日程を調整します。合併等で書類を簡素化できる場合も、指定が自動的に移るとは限りません。申請期限や事業所番号、加算の取扱いも個別に確認します。
- 指定・許認可:指定通知書、指定更新時期、変更届、運営規程、行政指導や運営指導の履歴を確認します。
- 人員基準・資格者:管理者、サ責、看護師、生活相談員、ケアマネ、登録ヘルパーなど、欠員や兼務の状況を整理します。
- 加算・請求:提供サービスに応じた加算やLIFEの対応状況を整理し、勤務実績・サービス記録と請求根拠を照合します。返戻、過誤調整、返還の履歴と入金状況は分けて確認します。
- 利用者契約:利用者様との契約、重要事項説明書、個別支援計画、ケアプラン、家族説明の進め方を確認します。
- 職員雇用:雇用契約、シフト、給与、離職リスク、キーパーソン、承継後の処遇方針を整理します。
- 資産・契約:不動産賃貸借、車両、設備、リース、介護ソフト、紹介元・医療機関連携を確認します。
- 収益性:月次売上、利用者数、稼働率、単価、営業利益、オーナー依存業務、改善余地を見える化します。
介護M&Aの一般的な流れ
初期相談・初期診断
希望条件が固まる前から、業態、地域、売上規模、職員体制、譲渡希望時期を確認します。売却ありきではなく、親族内承継・社内承継・第三者承継を比較します。
資料整理・簡易評価
決算書、月次資料、指定通知書、加算、職員体制、利用者数をもとに、買い手が評価する強みと事前に説明すべき論点を整理します。
候補先探索・条件整理
候補先像を整理し、匿名概要で関心度と相性を確認します。詳細情報は秘密保持契約の締結と譲渡企業の了承後、必要な範囲で共有します。小規模な事業所等では概要から特定される可能性にも配慮します。
面談・基本条件調整・基本合意
価格、雇用、説明時期、引継ぎ期間、地域連携の継続方針を整理し、基本合意で確認事項を共有します。秘密保持や独占交渉など、条項ごとの拘束力も確認します。
デューデリジェンス
財務、労務、法務、指定・加算、運営指導履歴を調べ、勤務表・資格・提供記録・請求を照合します。利用者の病歴や介護記録は、まず集計や伏せ字で足りるか検討し、開示先・閲覧権限・利用目的を限定します。個人データを渡す際は適用条件を確認し、漏えい時や交渉不成立時の返却・削除等を契約で定めます。
最終契約・決済・引継ぎ
DD結果を条件に反映して最終契約を結び、必要な指定・契約等の前提条件を確認して、代金支払いや株式・事業の移転を行います。行政への相談・申請は最終契約後まで待たず逆算します。職員・利用者様・ご家族への説明、地域連携、請求・システム移行を計画し、承継後の運営へつなげます。
譲渡企業様の手数料は成功報酬まで0円
介護M&A総合センターでは、譲渡企業様から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただきません。費用負担を理由に検討を止めず、まずは承継可能性と候補先の方向性を確認できるようにしています。
個別の法務、税務、行政手続きで弁護士・税理士・行政書士など外部専門家が必要な場合は、別途専門家報酬が発生することがあります。初回相談時に必要性を整理します。
買い手が介護M&Aで評価するポイント
地域性と紹介元
居宅ケアマネ、地域包括、医療機関、相談支援事業所との関係が安定しているかを見ます。
職員定着と資格者
管理者や資格者が承継後も残るか、シフトが継続できるかは価格と同じくらい重要です。
指定・加算の安定性
人員基準、加算要件、変更届、記録整備が安定しているほど、買収後のリスクを説明しやすくなります。
収益改善余地
稼働率、単価、加算取得、人材採用、請求体制など、買い手が改善できる余地も評価材料になります。
よくある質問
赤字の介護事業でもM&Aの相談はできますか?
相談できます。赤字理由が一時的な人員不足、加算未取得、稼働率低下、オーナー依存などで説明できる場合、買い手が改善余地として見ることがあります。
職員や利用者様に説明時期を整理しながら進められますか?
まず事業所名を伏せた概要で打診し、詳細資料は秘密保持契約と譲渡企業の了承後に必要な範囲で共有します。概要だけでも特定される可能性に配慮し、個人データは取扱条件を別途確認します。職員・利用者様・ご家族への説明時期は、契約や行政手続きと合わせて設計します。
介護M&Aの価格相場はどう決まりますか?
売上、利益、利用者数、職員体制、加算、地域性、指定・行政対応、買い手の出店戦略によって変わります。単純な利益倍率だけでなく、承継後に安定運営できるかが重要です。
訪問介護やデイサービス以外も対応できますか?
訪問看護、有料老人ホーム、グループホーム、小規模多機能、福祉用具、障がい福祉、就労支援など、介護・福祉領域の事業承継に対応します。
関連する実務解説
介護事業の売却判断ガイドでは、サービス別の確認点、評価の考え方、人材と引継ぎを詳しく解説しています。
手続きの参考:箕面市の運営法人変更FAQ(自治体の案内例。実際は各指定権者へ確認)、厚生労働省の運営指導資料、個人情報保護委員会の通則編。2026年9月20日確認。
介護M&Aは、早い段階の整理で条件が変わります。
売却を決めていない段階でも、希望条件を整理しながら相談できます。譲渡可能性、想定される候補先、資料整理、職員・利用者様への影響を一緒に確認します。
情報管理を前提に、平日10:00-17:00で受け付けています。
